■心療内科を受診される主な病気
●うつ病
うつ病は治療が必要な体の病気で、風邪のように誰にでもかかる可能性のある、ごくありふれた病気です。決して「心の弱い人がかかる病気」「心の持ちようで克服できる」というものではありません。主な原因は強いストレスですが、個人により原因は様々です。多くの場合、適切な治療にて改善します。
うつ病
老年期では社会的孤独、近親者の死などの喪失体験、身体機能の低下(身体疾患の合併症)など、改善が 困難な諸因子を抱えていることが多く、他の年代と同様に、うつ病は少なくありません。 他の年代と比べて、抑うつ気分よりも、だるさ、痛み、食欲不振といった身体の不調を認めることが多く、 「物忘れが始まった」と感じる方もおられます。適切な治療を受けることで、老年期のうつ病も改善します。
●社会不安障害 [あがり症]
大勢の人の前で、緊張して話せなくなったことがある人は少なくありません。そのせいで会社や学校を辞めてしまうなど、社会
生活に深刻な影響を与えることになるのが、社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)[あがり症]という病気です。
典型的な症状はスピーチ恐怖、会食恐怖、書痙(字を書くときに手が震える)、電話恐怖などですが、これらは今まで「内気な性
格のせいだから直らない」と誤解されてきました。しかし、SADはれっきとした病気なのです。とはいえ、恐れることはありませ
ん。SADは脳内の扁桃体などが過敏に反応することで生じ、人前で注目されると、激しい動悸や汗が出るなどの自律神経症状
が生じます。
これらの症状は、適切な薬による治療を行い、薬とあわせて恐怖を感じる状況に少しずつ慣らしていく治療などを行うことで、
多くの方が治る病気です。
●パニック障害
突然、激しい不安に襲われ、胸がドキドキしたり、息が苦しくなったりする発作が繰り返し起こる病気をパニック障害といいま
す。パニック障害は気のせいや、性格の問題ではなく、身体的に原因のある病気です。できるだけ早期に、適切な治療を受けるこ
とにより快方へむかいます。
●引きこもり・不登校
さまざまな理由から、外出しようとしなかったり、家族とも関わりが少なくなっている状態をひきこもりといいます。また、学校に
行かずに街をウロウロしたり、登校を拒否することを不登校といいます。不登校は長引くほどに、学校への復帰が難しくなる傾向
があり、初期の段階で適切な対応をすることが大切です。子供の悩みや、家族内の状況・葛藤、友達関係・学校での問題など
が絡み合って起こります。
うつ病などが影響していることがあり、症状のために身動きがとれず、不登校やひきこもりになる場合もあります。その場合、家
族のかかわりが大切になってきますが、症状から家庭内暴力などが起こることもあるため、家庭内だけでは対応が困難な場合
は、早い段階で専門医を受診されることをお勧めします。
●統合失調症
約100人に1人の割合で発症すると言われ、思春期〜30歳頃の年齢で多く発症します。かつては、特別な病気だとされていましたが、医学の進んだ現代では治療可能な「脳の病気」であることがわかっています。
幻覚(幻聴)・被害妄想・睡眠障害等、心の中に通常は見られない異常なはたらきが見られる陽性症状と、感情、意欲の低下、コ
ミュニケーション能力の欠如など、慢性的な陰性症状が現れます。薬物療法を中心に症状の回復や程度に応じて、精神療法、リハビリテーションなどが行われます。
●その他
不安障害、睡眠障害(不眠症)、心身症、過敏性腸症候群、神経症、強迫性障害、認知症、適応障害、摂食障害、発達障害など
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