Department of Internal Medicine

心療内科

心療内科を受診される主な病気

うつ病

うつ病は治療が必要な体の病気で、風邪のように誰にでもかかる可能性のある、ごくありふれた病気です。決して「心の弱い人がかかる病気」「心の持ちようで克服できる」というものではありません。主な原因は強いストレスですが、個人により原因は様々です。多くの場合、適切な治療にて改善します。

老年期うつ病

老年期では社会的孤独、近親者の死などの喪失体験、身体機能の低下(身体疾患の合併症)など、改善が 困難な諸因子を抱えていることが多く、他の年代と同様に、うつ病は少なくありません。
他の年代と比べて、抑うつ気分よりも、だるさ、痛み、食欲不振といった身体の不調を認めることが多く、 「物忘れが始まった」と感じる方もおられます。適切な治療を受けることで、老年期のうつ病も改善します。

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社会不安障害 [あがり症]

大勢の人の前で、緊張して話せなくなったことがある人は少なくありません。そのせいで会社や学校を辞めてしまうなど、社会 生活に深刻な影響を与えることになるのが、社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)[あがり症]という病気です。
典型的な症状はスピーチ恐怖、会食恐怖、書痙(字を書くときに手が震える)、電話恐怖などですが、これらは今まで「内気な性 格のせいだから直らない」と誤解されてきました。しかし、SADはれっきとした病気なのです。とはいえ、恐れることはありませ ん。SADは脳内の扁桃体などが過敏に反応することで生じ、人前で注目されると、激しい動悸や汗が出るなどの自律神経症状 が生じます。
これらの症状は、適切な薬による治療を行い、薬とあわせて恐怖を感じる状況に少しずつ慣らしていく治療などを行うことで、 多くの方が治る病気です。

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パニック障害

突然、激しい不安に襲われ、胸がドキドキしたり、息が苦しくなったりする発作が繰り返し起こる病気をパニック障害といいま す。パニック障害は気のせいや、性格の問題ではなく、身体的に原因のある病気です。できるだけ早期に、適切な治療を受けるこ とにより快方へむかいます。

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引きこもり・不登校

さまざまな理由から、外出しようとしなかったり、家族とも関わりが少なくなっている状態をひきこもりといいます。また、学校に 行かずに街をウロウロしたり、登校を拒否することを不登校といいます。不登校は長引くほどに、学校への復帰が難しくなる傾向 があり、初期の段階で適切な対応をすることが大切です。子供の悩みや、家族内の状況・葛藤、友達関係・学校での問題など が絡み合って起こります。
うつ病などが影響していることがあり、症状のために身動きがとれず、不登校やひきこもりになる場合もあります。その場合、家 族のかかわりが大切になってきますが、症状から家庭内暴力などが起こることもあるため、家庭内だけでは対応が困難な場合 は、早い段階で専門医を受診されることをお勧めします。

統合失調症

約100人に1人の割合で発症すると言われ、思春期〜30歳頃の年齢で多く発症します。かつては、特別な病気だとされていましたが、医学の進んだ現代では治療可能な「脳の病気」であることがわかっています。
幻覚(幻聴)・被害妄想・睡眠障害等、心の中に通常は見られない異常なはたらきが見られる陽性症状と、感情、意欲の低下、コ ミュニケーション能力の欠如など、慢性的な陰性症状が現れます。薬物療法を中心に症状の回復や程度に応じて、精神療法、リハビリテーションなどが行われます。

その他

不安障害、睡眠障害(不眠症)、心身症、過敏性腸症候群、神経症、強迫性障害、認知症、適応障害、摂食障害、発達障害など

医療費負担を軽減する制度[自立支援医療費制度]

通院医療費公費負担制度(精神保健福祉法第32条)に変わり、平成18年4月1日より、障害者自立支援法に基づく自立支援医療制度(精神通院)が始まりました。
精神による疾患で、通院医療が継続的に必要な方の医療費(薬剤費も含みます)の自己負担分を公費で負担する制度です。

対象者(精神通院医療)

精神疾患を有し、通院による精神医療を継続的に要する程度の病状にある方が対象となります。

利用の申請

申請窓口はお住まいの市町村になります。(担当窓口は市区町村によって名称が異なりますので「自立支援医療の申請をしたい」と窓口でお伝えください。)。
申請の際、マイナンバーの記載や本人確認が必要となります。
医療機関(薬局等も含みます)の変更や保険証の変更、医療受給者証などの再交付についても、お住まいの市町村にお問い合わせ下さい。

申請の際の必要な書類
必要な書類 交付場所
ア:自立支援医療医療(精神通院)支給認定申請書 保健所、市町村、
通院医療機関
イ:世帯確認のための健康保険証の写し(受診者及び被保険者の関係がわかること)
(国民健康保険の方は住民票上の世帯全員の被保険者証の写し、又は「世帯」等状況調査同意書)
市町村
(課税証明書等)
ウ:所得確認のための書類
市町村民税課税世帯の方 ●市町村民税課税証明書、又は課税状況等調査同意書
市町村民税課税世帯の方
(生活保護世帯を除く)
● 市町村民税課税証明書、又は課税状況等調査同意書
● 受給者(18歳未満の場合は保護者)の収入がわかる書類
(年金や福祉手当等については振込通知書の写し)
生活保護世帯の方 ●生活保護受給証明書
エ:医師の診断書(自立支援医療(精神通院)用診断書 医療機関
オ:「重度かつ継続」に関する意見書(追加用)
(以下所得区分(4)(5)(6)で「重度かつ継続」に該当する場合のみ)

自立支援医療費制度では、申請時に、利用する医療機関と薬局を指定していただき指定した医療機関と薬局でのみ、1割の自己負担となります(指定されていない医療機関や薬局では3割の自己負担となります)。
医療機関・薬局等の登録は原則各1機関です。

利用方法申請が受理されますと、自立支援医療受給証と自己負担上限額管理票が交付されます。申請時に指定した医療機関や薬局を利用される際は毎回、医療機関や薬局の窓口に受給者証と管理票をご提示ください。

有効期限

受給者証の有効期限は1年間ですので、毎年更新手続きが必要となります。

自己負担について

自立支援医療費制度では、原則として医療費の1割を自己負担していただくことになります。所得に応じて負担の上限額が設定されます。

所得区分 自己
負担
割合
一ヶ月の自己負担上限額
重度かつ継続に
該当しない
重度かつ継続に
該当する
(1)生活保護世帯 0割 0円
(2)市町村民税非課税世帯で受診者本人
(未成年者の場合は保護者それぞれ)の収入が80万円以下
1割  2,500円 左記と同じ
(認定の必要なし)
(3)市町村民税非課税世帯で受診者本人
(未成年者の場合は保護者いずれか)の収入が80万円を超える
5,000円
(4)市町村民税(所得割)3万3千円未満 上限無し 5,000円
(5)市町村民税(所得割)3万3千円以上23万5千円未満 10,000円
(6)市町村民税(所得割)23万5千円以上 自立支援医療対象外:一般医療と同じ扱いになります。(ただし、重度かつ継続に該当する場合は、1割となります。) 20,000円

※ 重度かつ継続に該当するケース

  • 診断名が統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害(依存症等)の方
  • 精神医療の経験を、一定期間以上有する医師によって、集中的・継続的な通院医療を要すると判断された方
  • 医療保険の高額療養費で多数該当の方(過去1年間に、高額療養費の支給回数が既に3回以上の方)
障害者手帳の対象者

精神疾患があり、長期にわたり日常生活または社会生活への制約(生活障害)がある人です。ただし、病気の種別にはある程度の限定があり、認知症(老人性痴呆)は含まれますが、軽度の神経症や心身症、人格障害や知的障害は対象とされません。年齢や入院・在宅の区別はありませんが、初診日から6ヶ月以上経過している場合にのみ申請が可能です。

障害者手帳で受けられるサービス

国・都道府県・市区町村だけでなく、民間の会社が行っているサービスもあります。全国誰もが受けられるサービスとしては、自立支援医療費制度を申請する際、診断書が不要となる、税制上の優遇措置が受けられる、生活保護の障害者加算の手続きが簡素化される、携帯電話の基本料金が半額となる、などがあります。

(平成29年8月現在)