1.はじめに
人は誰でも悲しいことや失敗を経験すると、気分が落ち込んだり、ゆううつになったりします。多くの場合は時間の経過とともに改善しますが、気分が落ち込んだまま生きるエネルギーが乏しくなり、その結果、身体のあちこちに不調があらわれる病気がうつ病です。当然、誰にでもかかる可能性のある、風邪のようにごくありふれた病気です。
うつ病の知識が広まってきたとはいえ、軽いうつに悩む人たちは、普通に見えるために『単なる甘えだ』と誤解されたり、本人が病気と気づかず、適切な治療を受けていない場合も少なくないようです。
不治の病ではなく、うつ病は治る病気です。正しい知識を身につけ、適切な治療を受けましょう。
2.どんな人がなりやすいの?
うつ病の発症に最も強く関わっているのがストレスです。現代は誰もがさまざまなストレスを抱えており、その点で誰もがうつ病と無関係とはいえません。しかし、その中でも特に下記の要因をもつ方がストレスにさらされたうえ、転勤・転居、昇進、結婚・出産などで違う環境に置かれるとうつ病になりやすいといわれています。
- まじめで仕事熱心な人
- 責任感が強く、他人から信頼される人
- 完全主義で几帳面な人
- 仕事や家事を人任せにできない人
- 他人にどう見られているか、非常に気になる人
3.どんな症状が現れるの?
うつ病を早期に発見し、適切な治療を受けるため、症状の一部を示しました。一般的に以下のような症状を認め、原因がわからない場合はうつ病を疑います。
体の症状
- 眠れない、頭重感、頭痛、めまい
- 食欲不振、胃部不快感
- 肩こり、体のだるさ、疲れやすさ
- 息苦しい、動悸がする
- 手足のしびれ感、嫌な汗や寝汗が出る
- 性欲の低下、女性では月経不順など
心の症状
- 物事をやるのがおっくうで早くできない
- 集中力が落ち、仕事を能率よくできない
- 人に会いたくない、人と一緒にいたくない
- 寝てもさめても同じこと(心配ごとや悲観的なこと)を考えている。
4.どんな治療を行うの?
うつ病の治療は、十分な安静と薬物療法を中心に行ない、患者様の病状・病態に応じて、そのつど適切なアドバイス(精神療法)を行ないます。多くの場合、まずは仕事などのストレスの原因から遠ざかり、心身ともにゆっくりと休養したうえで、抗うつ薬や安定剤を中心に治療します。うつ病は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に回復に向かうのが一般的です。
1)十分な安静
うつ病の治療はまず「なにもしない事」から始めます。
うつ病の患者さんは心身ともに疲れきった状態になっているので、まずはゆっくりと休養をとり、疲れを癒すことが大切です。家で寝てからだを休める、好きな音楽を聴く、庭の植木に水をやるなど、ストレスのかからない時間をたくさん持つことです。「今は充電期間」と割り切って、決めなければならない事などは先送りにすることも大切です。
2)薬物療法
うつ病はほかの病気と同様に治療が必要な体の病気で、薬によって体の中に生じている異常を修正することが大切です。
うつ病には 『抗うつ薬』 という種類の薬が有効であると考えられています。抗うつ薬は、うつ病の症状の原因となっている脳内神経伝達物質のバランスの乱れを整える作用があります。
うつ病の再発を防ぐため、しばらくの間内服を続けることが大切です。一般的に症状が安定(改善)してから約6ヶ月間内服を継続し(病状・経過によっては約1年間)、徐々に薬を減量し、治療終了となります。
診療時間のご案内
お問い合せは
のぞみクリニック受付まで
休診日/土曜・日曜・祝日
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
9:30〜13:00 | ● | ● | ● | ● | ● | / |
15:00〜20:00 | ● | ● | ● | ● | ● | / |